来客数の把握と、出数予測、傾向指数について
前回、サイクルメニューについて書いたが、今回はそれに引き続き、工場オフィス系事業所でのサイクルメニューの利点を生かした出数予測の実際を解説する。具体的には次の2点を実行することだ。
- メニューごとの出数を予測するにはまず、喫食対象者数(ざっくり、クライアント側の在籍社員数)を把握する。
- サイクルメニュー1回目実施時の出数を正確に記録し、そのメニューごとにの傾向指数を把握する。
1.に付いて。まずクライアント(契約主、サービスを受ける側)の食堂窓口担当者とのコミュニケーションをとる中で出来るだけ正確な社員数を聞き出すことだ。
(筆者が勤務した事業所では約600名、食堂を利用しうる近隣の関係会社、協力会社の社員約400名、合計1000名だった)
その他に、季節的な社員の異動情報、団体での来客者情報、新入社員等の来場情報など、あらゆる来場者の情報を取ることも重要だ。
2.に付いて。サイクルメニュー初回に付いては過去の実績が全く無いわけだから、そのメニュー単体が持っている一般的な傾向指数を用いるしかない。
傾向指数とは、その日の各メニューごとの実際の出数÷実際の総来客数×100で計算される、総来客数に対するメニューの出数割合だ。
具体例:
主食系が6種類のメニュー構成で、主菜Aが250食、主菜Bが80食、主菜Cが65食、中華麺120食、和麺40食、カレー20食、総来客数575人だった場合。主菜A43%、主菜B14%、主菜C11%、中華麺21%、和麺7%、カレー3%となる。一般的なメニューの傾向指数:
その委託会社の他のよく似ているメニュー構成を持っている事業所のメニューを参考にする。又は、自分の経験上で知りうるメニューの出数傾向を利用する、などだ。(メニューの構成にもよるが普通の人気メニューで、とんかつやハンバーグなどは30%~40%、魚料理なら5%~10%ぐらいだろう)。
しかし、メニューがA、B構成だとして、両方とも人気メニューを割り当てると、傾向指数での予測は難しくなるから注意が必要だ。
傾向指数の応用でサイクル2回目の出数を予測する
サイクルメニューの利点は、同じメニュー構成で、同じメニューであれば、同じ傾向で喫食されるという事だ。
2サイクル目に予測される総喫食者数が1サイクル目と同じなら、メニューの出数だけ準備すれば売れ残りを出さない、ロスを出さないで済むことになる。来客者数の増減にも対応しやすくなる
2サイクル目の具体例:クライアント担当者から、関係会社から研修で80人がお昼に来場する予定があるとの情報がある場合。
1サイクル目の来客実数が575人だから、プラス80人で合計予測来場者数は655人だ。
1サイクル目で得た実績の傾向指数(主菜A43%、主菜B14%、主菜C11%、中華麺21%、和麺7%、カレー3%)を当てはめて
予測来客者数655人にそれぞれ掛け合わせると主菜A 281食、主菜B 92食、主菜C 72食、中華麺 137食、和麺 46食、カレー 20食 と計算出来る
上のように、正確な出数予測をすることで、適正な仕入れと準備ができればそれだけロスを減らす事が出来る。それが適正な収益を守り予算を遂行することにつながると思う。
次回は予算管理のお話をしようと思う