ムクの毒饅頭 鮎斗君のお父さんが小さかった頃飼っていた雑種犬(ムク)は夕方になっても帰ってこなかった。

少年時代
この記事は約3分で読めます。

ムクとの思い出

 

鮎斗君のお父さんがまだ小学生低学年のとき、家で一匹の犬を買っていた。中型の濃い茶色味がかったベージュ色の雑種犬だ。「ムク」と名付けてかわいがっていた。

 

その頃の犬の飼い方としては、今のように必ずしもリードなどで拘束することはなく、放し飼い状態でも誰に注意される訳でもなく、特に問題は無かった。そのころムクは夜は家の庭に繋がれてはいたけれど、昼間は綱から放にたれて自由に走り回って遊ばせていた。夕方になると自然と家に戻ってくるという毎日だったが、ある日ムクは夕方になっても家に帰ってこなかった。

 

翌日学校が終わってからムクを探しに行った。ムクは家から少し離れた空き地の草むらに倒れていた。その当時は野犬の駆除のために”毒饅頭を撒く”ということがよく行われていたようだ。町の行政がやるのか、だれか大人が個人的にやるのかは解らないが、道端に倒れた犬をみつけることは普通によくあった事だ、そんな倒れた犬を見つけると、これは、「”毒饅頭”でやられたな!」と思ったものだ。だが、まさかムクがやられるとは思わなかった。

 

愛犬家の人はルールを守って欲しい・・・

 

今の時代、野犬を毒饅頭で駆除などありえないことだし、リード無しで放し飼いなども許されない状況だと思うが、まだ、よく見かけるのは公園の芝や河川敷の草原などでリードを外して犬を遊ばせている人を見かけることがある。自分はそうでもないが、鮎斗君は犬が苦手だ。小さくて動くものが全般的に苦手なのだが、

 

リードから放たれた一匹の犬が少し離れたところから猛然と走ってきて、鮎斗君に迫って来る。鮎斗君は逃げ惑い、それをかばったお父さんと一緒に河川敷の土手から転がり落ちた。鮎斗君は怯えて両手を両耳に当てて「ウウウー」とパニックにはならなかったがとても怖い思いをしたのだと思う。

 

抗議の声に逆ギレされました

 

鮎斗君は言葉で物事や感情を表現することが出来ないので、嫌なことや困ったことなどがあると手の甲を耳に押し当てて耳から入る雑音などを「ウー」と唸り声をあげて遮断することで、そのストレスから逃れようとするのです。その時、ムクの毒饅頭事件を思い出し、「毒饅頭でも食わしてやろか」と思った。もちろんそんな事はしないが。「公共の場では犬が嫌いな人だっているんだ。最低限のルールは守ってもらいたい。犬はつないでないとだめだろう!」と少し強い口調で抗議した。

 

その時の愛犬家の捨て台詞。「そんなに犬が怖いなら家につないでおけ・・・」です。障がい者は家につないでおけとは、自分に非があるとは微塵も感じていない、あまりにひどい言い草。いまだに「障がい者」に理解を持たない人はまだまだいるのだなと悔しさと悲しい気持ちでいっぱいになった。

 

本当に世の中には「いろんな人がいるんだなぁ・・・」と思った。

タイトルとURLをコピーしました